欧州弾丸列車紀行

第1部 東欧見聞録


思いがけず歩いた知らない街ティミソアラ

『東欧見聞録』としてみた。欧州弾丸紀行の第1弾の主題をである。
いま「新世界紀行」のテーマソング「自由の大地」が後ろで流れる。
昔からこの曲を聴いて未知の世界への憧憬を深めてきた。こん回の
この旅は、これまでの旅生の集大成と位置付けている。 これまで
培ってきた知恵や工夫を余すことなく盛り込んでいる。大げさかも
しれないが、これまでの旅は総てこの旅のためにあったのかも?と
さえ思える。だから途中で倒れても悔いはない(たぶん)。まさに
松尾芭蕉の心境だ。帰国後にまとめて総括するのも結構大変なので、
ネットに溢れるリアルタイム旅日記を真似て、こうして時事記録を
とることにした。いつまで続くかは判らないが。。。

 さて、事前に読んでいた先行旅行者の日記や治安情報は暗く危険
な内容が多く、些か陰鬱な気分での出発であった。特にブカレスト
の前評判はすこぶる悪かった。 盗人、詐欺師、浮浪者、偽警官、
ぼったくり、野犬…。切符を買う正式な窓口でも値段を吹っかけて
くるとか。いずれも金銭的というより精神的な損失のほうが遥かに
大きい。だから旅立つ前は、戦場に赴くようなある種の「構える」
気持ちであった。だが、いざ来てみると事前情報とは違って素晴ら
しい毎日が続いている。まず人が擦れてない。真面目だし寡黙だが
親切な人が多い。恐ろしいほどに英語が通じるのも驚きだ。幾度も
助けられ、殆ど不自由は感じない。加えて飯が旨い。何を食べても
はずれがない。しかも食事も宿も驚くほど割安である。ここに永住
してもいいのではとさえ思えてしまったくらい快適なのだ。アテネ
から北上し、最も憂慮していたブカレストを無事に抜け…、という
より逆に最も楽しめたので、こんな 180度もの気分転換なのだろう。
尤も、他者ならぬ自分の過ちで滑って転んで全身血まみれになって
しまったが。幸い手に持っていたカメラは奇跡的に無事。身を挺し
て大事なものを守ったとでもしておこう。 (ベオグラードにて)

経 路

セントジョンズ ⇒  ダブリン ⇒  アテネ ⇒ テッサロニキ ⇒
     
ソフィア ⇒  ルーセ ⇒  ブカレスト  ティミソアラ ⇒
     
ベオグラード ⇒  サラエボ ⇒  モスタル ⇒  ドブロブニク ⇒
     

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