欧州弾丸列車紀行

3部 東北戦線異常ナシ


水辺に建つストックホルム市役所

早いものではや1か月。弾丸紀行も第3幕(第3部)に突入する。
毎日慌ただしく忙しすぎて、心ここにあらず。早いようで未だ1か
月か…、という相反する感覚だ。何故か3日に1日くらいの割合で
花粉症を発症して注意力も散漫になるが、つるつる滑る靴と周囲の
連中に気を配らないといけない。かさぶた数か所はもう取れたが、
階段を滑り落ちてぶつけた尻が痛い。毎日の長歩きや荷物を持って
階段の上り下りや自転車での激走でカモシカの足も随分重くなった。

 31日に夜行列車でウィーンに着いて第3幕は始まった。引き続き
東欧(墺、スロバキア、波蘭、チェコ、旧東独)と北欧でテーマは
「東北戦線異状xx」。xxには「なし」か「あり」をいずれ入れ
る予定。もちろん前者であって欲しい。ここ数日は2日に1回の割合
で夜行だが、案外あっさり寝台が獲れた。日本では寝台と言っても
こちらでは「クシェ」(簡易寝台)で一番安い3段ばかり。パスが
あるので20ユーロ前後。今朝着いたクラコフで明日の分を聞いたら、
44というので、「ちょっと高いけどしゃあ無いな」と買ってみれば、
44は現地通貨建てで、併記で9.5ユーロと書いてあったので驚いた。
何にしてもユーロ圏では換金やカネ勘定しなくて済むので楽だが、
他の国では金銭感覚が一瞬判らなくなる。東欧では国境を超える度
に5回も通貨が変わって、ATMでいくら引き出すかで苦労した。沢山
おろして余っても出るとき面倒になるから。これからまた北欧でも
同じ苦労が待っている。大概は3000円程度を目安にして、それ以外
はカードを使うのが現状だ。交換比率でもカードが圧倒的に有利。

 それにしてもやはり旧共産圏は物価が安くて楽しい。来るんなら
やっぱし旧共産圏の東欧・中欧だ。何が良くてわざわざ物価の高い
パリやロンドンに皆行くのか?(といっても俺も行くんだけど)。
そういえば欧州は言葉が違う以外、人の顔つきも含め皆どこも同じ
感じ。街並み、建物、食物、乗物(総てmy favorites)といった、
生活のシステムが殆ど共通だ。EU化で更にその度合いが強まった
のだろう。時間軸で見ても、 100年前と街並みはあまり変わっては
いないのではないのか?日本では戦前と戦後で街並みは劇的に変化
した。なので先の大戦は歴史上に大きな断絶を残している。しかし
欧州では、確かに大きな破壊はあったが、恐ろしい事に地道に時間
をかけて昔の街並みを忠実に復元している所が実に多い(日本では
東京駅くらい)。建材の違いもさることながら、それだけ街に対す
る人々の愛着が大きいのだろう。日本の様な近代的RC造やガラス
建築も偶にはあるものの、明らかに周囲から浮いている。人により
嗜好や意見は異なると思うが、地元の人にはかなり不評なようだ。
でも日本の混沌と混在を悦ぶ俺的には、それも調和している感じで
宜しいのでは?と思ってしまうのだけども。 (ワルシャワにて)

経 路

ウィーン ブラチスラバ クラコフ ワルシャワ   プラハ
       
ドレスデン ベルリン シュベリン ハンブルク ハノーファー
       
ブレーマーハーベン  ブレーメン  コペンハーゲン マルメ ストックホルム
       
エーテボリ  オスロ クリスチャンセン オールボー  
       

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